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在職中の転職活動は、正直しんどい。それは間違いない。
筆者の場合、当時の職場は残業が多く、帰宅は22時を過ぎることが珍しくなかった。その状態で転職活動を始めたとき、最初の1ヶ月はほとんど何もできなかった。求人を見る気力すら残っていない日が続いた。「これは無理だ、辞めてから活動しよう」と何度思ったか分からない。
それでも、在職中に転職活動を続けて、最終的に年収を130万円上げることができた。今振り返ると、「辞めてから活動しなくて本当によかった」と思っている。この記事では、在職中の転職活動がなぜきついのか、それでもなぜ続けるべきなのか、そして実際にどう時間を作ったかを、具体的に書いていく。
在職中の転職活動が「地獄」に感じる理由
在職中に転職活動をやっている人の話を聞くと、共通した苦しさが出てくる。まず挙がるのが「時間がない」という問題だ。
転職活動には、書類作成・求人調査・エージェントとの面談・企業との面接、そして内定後の条件交渉まで、思っている以上に多くのステップがある。これを仕事と並行でこなすのは、単純に物量として過酷だ。
さらに、精神的な消耗もある。日中は今の職場で普通に仕事をして、退勤後や週末に応募書類を書き、面接の準備をする。職場では転職活動を隠さなければならないから、「表の顔」と「裏の自分」を使い分けるような感覚が続く。これが地味にきつい。
面接のために有給を使うと、職場の人に「なんで今日休むの?」と聞かれることもある。「用事があって」と答えながら罪悪感を覚える人も少なくない。
それでも、在職中の転職活動には決定的なメリットがある。それは「精神的な余裕」と「交渉力」だ。
退職してから活動するリスクを数字で見る
「辞めてからのほうが集中できる」という考えは理解できる。時間が確保できるのは事実だ。ただ、退職後の転職活動にはリアルなリスクが伴う。
| 項目 | 在職中 | 退職後 |
|---|---|---|
| 精神的余裕 | 収入があるため比較的安定 | 焦りが生じやすい |
| 活動時間 | 限られる | 十分ある |
| 年収交渉力 | 強い(選べる立場) | 弱くなりがち |
| 内定辞退のしやすさ | しやすい | しにくい |
| ブランク期間 | 発生しない | 発生する(説明必要) |
| 失業保険 | 不要 | 給付まで2〜3ヶ月(自己都合の場合) |
退職後の転職活動で最も問題になるのが「焦り」だ。自己都合退職の場合、失業給付が出るまで2〜3ヶ月かかる。貯蓄があっても、毎月の収入がゼロになる状況では、どうしても「早く決めなければ」という心理が働く。その結果、本来なら断るような条件の会社に妥協してしまうケースが多い。
転職活動の平均期間は3〜6ヶ月といわれている。その間、無収入状態が続くのは家計への影響も大きい。在職中に活動することで、このリスクをゼロにできる。
筆者が実際にやった「時間の作り方」
残業が多く、帰宅が22時を過ぎる状況でどうやって転職活動の時間を作ったか。具体的に書く。
平日の昼休み30分を「求人チェック専用時間」にする
最初にやったのは、昼休みの使い方を変えることだった。それまでは同僚と昼食に行っていたが、週3日は自席でサッと食べて、残り30分を転職サービスの求人チェックに使うようにした。
30分でできることは限られている。しかし、毎日続けることで「良い求人の感覚」が養われていく。スマートフォンで確認できるので、場所を選ばないのもポイントだ。
朝の30分を書類作成に使う
帰宅後に集中して作業するのは、疲れた状態ではなかなかうまくいかなかった。そこで試したのが「朝活」だ。いつもより30分早く起きて、職務経歴書の作成や志望動機の文章を書く時間にした。
朝は頭が比較的クリアで、論理的な文章を書きやすい。集中力が続きやすいという感覚もあった。毎朝30分を1ヶ月続けると、合計で15時間分の作業時間になる。積み上げの効果は侮れない。
有給休暇を計画的に使う
面接は基本的に平日の日中に設定される企業が多い。そのため、有給を使う戦略が必要になる。
筆者の場合は以下のような使い方をした。
- 1次面接:昼休みをずらして対応できた企業もあった(近隣の場合)
- 2次面接以降:半日有給または1日有給を取得
- 複数社が重なりそうな週:週の中日(水曜)に1日有給を設定
- 最終面接・内定承諾面談:1日有給を確実に確保
職場に理由を聞かれた場合は「私用」「通院」など、具体的な説明が不要な理由で対応した。有給の取得理由を詳しく説明する義務は法的にないため、必要以上に心配しなくていい。
週末の2〜3時間をエージェント面談・書類整理に充てる
土日は転職エージェントとのオンライン面談を入れた。多くのエージェントが土日・夜間対応しているため、平日より予定を組みやすい。
週末のスケジュールの例を挙げると、こんな感じだった。
- 土曜午前:エージェントとのオンライン面談(60〜90分)
- 土曜午後:気になった求人への応募書類作成
- 日曜午前:面接の想定QA整理・練習
- 日曜午後:来週の求人チェックと優先順位付け
これを毎週続けると、週あたり4〜5時間を転職活動に使える計算になる。1ヶ月では16〜20時間。平日の隙間時間を合わせると、月20〜25時間の活動時間を確保できた。
在職中転職活動のスケジュール全体像
転職活動全体の流れを、筆者が経験した時間軸で整理する。ただし、これはあくまで一例であり、個人の状況によって大きく異なる。
| 期間 | 主な活動 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | 転職サービス登録・求人調査・現状整理 | 5〜10時間 |
| 3〜4週目 | 履歴書・職務経歴書作成、エージェント面談 | 10〜15時間 |
| 2ヶ月目 | 書類選考・1次面接(複数社並行) | 15〜20時間 |
| 3〜4ヶ月目 | 2次・最終面接・内定交渉 | 10〜15時間 |
| 5〜6ヶ月目 | 入社日調整・退職手続き | 5時間以内 |
全体を通じて必要な時間は50〜70時間程度が目安とされている。月に20時間確保できれば、3〜4ヶ月での完了も十分現実的だ。
心が折れそうになったときの対処法
在職中の転職活動で多くの人がぶつかる壁のひとつが「モチベーションの維持」だ。書類選考の不合格が続いたり、面接の手応えがなかったりすると、「このまま続けても意味があるのか」という気持ちになることがある。
筆者の場合は、以下のことを意識して乗り越えた。
「転職先を選ぶ側」という意識を持つ
在職中である以上、今すぐ転職しなくても生活は成り立つ。その状況を活かして、「自分が企業を選んでいる」という感覚を意識的に持つことが重要だ。選考に落ちることは「合わない会社にフィルタリングされた」とも言える。
退職後の活動と違い、焦る必要がない。この余裕が、面接での自然な受け答えにもつながる。
並行して複数社に応募する
1社だけに絞った活動は精神的に危険だ。その会社の結果が全てになってしまうからだ。複数社に同時並行で応募することで、1社が不合格でも活動全体が止まらない。
在職中の転職活動では、一般的に5〜10社程度に同時並行で書類を出しているケースが多いとされている。管理の手間はかかるが、精神的な安定度が全然違う。
進捗を可視化する
活動の記録をつけることを強くすすめる。求人チェック数、応募数、書類通過数、面接数を毎週メモしておくだけでいい。数字として見ると「ちゃんと進んでいる」と実感できる。筆者の場合は簡単なスプレッドシートを作って管理していた。
- チェックした求人数(累計)
- 応募した企業数(累計)
- 書類通過した企業数
- 面接を受けた回数
- 最終面接まで進んだ企業数
この記録があると、振り返ったときに「自分はこれだけ動いた」という自信になる。
在職中の転職活動で特に注意すべきこと
最後に、在職中の転職活動でやってはいけないことをまとめる。
職場のPCや回線を使わない
転職サービスへのアクセスや書類作成は、必ず私用のデバイスと回線で行う。会社のPCはログが残る場合があり、業務時間中のアクセスは就業規則違反になりうる。スマートフォンや個人PCを使うのが原則だ。
職場での転職活動の話は絶対にしない
信頼している同僚であっても、在職中の転職活動は話さないのが鉄則だ。情報は思わぬルートで広がることがある。上司に知られると、業務の扱いが変わったり、引き継ぎを急かされたりする可能性がある。
退職意向は内定確定後に伝える
転職先が100%決まってから退職の意思を伝える。「もう転職するつもりだから」と先に伝えてしまうと、職場での立場が難しくなるうえ、万が一内定が取り消された場合のリスクもある。
在職中の転職活動はたしかに大変だ。時間が足りない、体力的にきつい、精神的にも消耗する。それでも、収入を維持しながら選択肢を持って動けることの価値は大きい。辞めてから後悔するより、しんどくても続けた先に、自分が納得できる転職結果がある——というケースが、実際には多い。
無理をしすぎず、しかし諦めずに。それが在職中転職活動の正しいマインドセットだと思っている。
