未経験からWebマーケターに転職して2年——年収の変化と「やめとけ」と言われた理由、全部書く

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「未経験でWebマーケターはやめとけ」と、転職活動中に何度か言われた。前職の同僚にも、転職エージェントにも、ネット上のあちこちにも。でも、結局転職して2年が経ち、個人的には後悔していない。

この記事では、筆者の周囲でWebマーケターに転職した人たちの話と、自身が取材・情報収集した内容をもとに、未経験転職のリアルを書いていく。年収がどう変わるか、どんな職種があるか、スクールは必要かどうか、「やめとけ」と言われる理由の中身まで、できるだけ具体的に記録する。

そもそもWebマーケターという仕事の全体像

「Webマーケター」という職種名は広すぎて、一言では説明しにくい。実際には以下のような専門職に分かれていることが多く、会社の規模によっては1人がすべてを兼務するケースもある。

職種 主な業務内容 代表的なツール・スキル
Web広告運用 Google広告・Meta広告の入稿・入札・改善 Google広告、Meta広告、Googleアナリティクス
SEOコンサルタント 検索順位向上のためのコンテンツ・技術改善 Ahrefs、Semrush、サーチコンソール
SNSマーケター X(旧Twitter)・Instagram・TikTokの運用 各プラットフォームの管理画面、Sprout Social
コンテンツマーケター 記事・動画・メルマガの企画・制作・配信 WordPress、HubSpot、各CMS
Webアナリスト データ分析・KPI設計・レポーティング GA4、Looker Studio、SQL
マーケティングオートメーション MA導入・設定・施策設計 Salesforce Marketing Cloud、Marketo、HubSpot

未経験者が最初に就くのは、Web広告運用かSEOの実務アシスタントが多い。数字の動きがわかりやすく、比較的短期間でPDCAの感覚が身につくからだと思われる。

「やめとけ」と言われた理由を分解する

未経験でのWebマーケター転職を止められる理由にはいくつかのパターンがある。経験者や支援職側の意見を整理すると、主に4つになる。

理由1:競争倍率が高い

人気職種のため、未経験可の求人には応募が殺到しやすい。ある転職エージェントからは「書類通過率が3〜5%台の求人もある」という話を聞いたことがある。特にEC・SaaS・ゲーム会社などデジタルに強い企業ほど、未経験者の応募数が多くなりやすい。

理由2:スキルと給与が比例しにくい初期

未経験入社だと、まず運用補助や数値レポートの作成から始まるケースが多い。この段階では「数字を動かしている感覚」がなかなか得られないため、モチベーションが落ちやすいという声も多い。1〜2年は成果が見えにくい時期とされる。

理由3:成果責任がダイレクトにのしかかる

特に広告運用は予算を扱う仕事。月100万〜数千万円の広告費を動かす立場になると、CPAやROASの数値が悪化したとき、直接的な責任問題になる。プレッシャーに弱い人には向かないと判断されやすい。

理由4:「マーケター」として採用されても実態がSEO記事量産だけ、というケースがある

中小規模の会社や一部のベンチャーでは、Webマーケターという肩書きでも、実務はひたすら外注記事の管理やSNS投稿の代行のみ、というケースがある。転職後に「思っていた仕事と違う」と感じる人が多い職種でもある。求人票の内容と実態の乖離に注意が必要だ。

スクール経由vs独学vs実務未経験直接応募——何が有効か

未経験からWebマーケターになるルートは大きく3つある。それぞれにメリット・デメリットがあり、どれが正解かは人によって異なる。

マーケティングスクールに通うルート

近年は転職保証付きのWebマーケティングスクールが増えた。代表的なものとしては以下が挙げられる。

  • Wannabe Academy:SNSマーケやコンテンツ制作に強いと言われ、実績重視の課題型カリキュラムが特徴。受講生コミュニティの活発さを評価する声がある。
  • マケキャン by DMM:DMMグループの転職特化型スクール。転職サポートの手厚さを評価するという声が多い一方、学習内容の深さを物足りなく感じる人も一定数いる。
  • デジプロ:電通グループ出身者が設立したとされる広告運用特化スクール。Google広告・Meta広告の実践に比重を置いたカリキュラムで、広告代理店への就職を目指す人に選ばれやすい。
  • SHElikes(シーライクス):女性向けのキャリアスクール。マーケティングに限らずWebデザインやライティングも学べる総合型で、副業・フリーランス転向を視野に入れた受講者も多い。

スクールの費用は30万〜60万円程度が相場。転職保証や受講後のキャリアサポートを前面に出しているところが多いが、保証の条件(応募社数・期間・職種範囲)を細かく確認することが重要だ。特定のスクールを「絶対におすすめ」と断言できる情報は持ち合わせていないため、複数を比較したうえで判断してほしい。

独学ルート

Google広告の無料ラーニング(Skillshop)、Google AnalyticsのGAIQ認定資格、Udemyの動画講座などを組み合わせた独学も、取り組み方次第では十分通用する。費用を抑えたい人、すでにSNS運用や個人ブログで数値的な実績がある人には有効な選択肢だ。ただし、学習の構造化や転職活動のノウハウを自力で調達する必要がある点は覚悟が必要。

実務未経験で直接応募するルート

ベンチャー企業や中小規模の会社では、「未経験歓迎・OJTで教える」という求人も存在する。社内に教育余力があるかどうかは求人だけでは判断しにくく、面接で確認するしかない。実務に飛び込んでから学ぶスタイルが合う人には向くが、放置リスクもある。

年収はどう変わるか——2年間の実態

筆者の周囲や転職経験者の話を集めると、未経験からWebマーケターへの転職時に年収が下がるケースは珍しくない。ただし、2〜3年単位で見ると回復・上昇している人が多い印象だ。

時期 年収の傾向(前職400万円台の場合) 主な変化要因
転職直後(0〜6ヶ月) 300万〜370万円台に下がるケース多い 未経験扱い・試用期間中の固定給
1年目後半 徐々に回復、350万〜400万前後 評価期間終了、昇給・手当発生
2年目 担当案件数増加で400万〜450万超も 一人立ち、成果評価がダイレクトに
3年目以降 500万〜600万円も狙えるレンジへ スペシャリスト昇進・他社転職・フリーランス化

特に広告運用の担当者として成果(CPA改善率・売上貢献)を数値化できるようになると、転職時の交渉力が格段に上がる。2年目以降に「今の会社に残るよりもう一度転職したほうが年収が上がる」と判断して動く人も少なくない。

ただし職種によってバラツキが大きい。SEO特化のポジションは市場単価がやや低めで、MA(マーケティングオートメーション)や広告運用で実績を持つ人のほうが年収交渉で強い傾向がある。

2年間でぶつかったリアルな壁

実際にWebマーケターとして動き始めた人から聞く「壁」は、スキル面よりも業務環境や自己管理の話が多い。

数字の改善責任と精神的消耗

広告運用では、数値が悪化したとき「何が原因か」を自分で仮説立てして改善する繰り返しがある。これが楽しい人と消耗する人に分かれる。「答えが一つじゃない問題を延々と考える仕事」という表現をした知人がいたが、うまく言い当てていると思う。

学習が終わらない感覚

Google広告のアルゴリズムも、Meta広告の仕様も、SEOのランキング要因も、毎年変わる。入社して2年経っても「まだ全然わかっていない」と感じる人が多く、永続的なキャッチアップが必要な職種だ。これをポジティブに捉えられるかどうかが、長続きするかの分岐点になる。

成果の全部が自分の実力ではない

市場環境の変化や競合の動き、クライアントの商品力によって数値が変わることも多い。「自分の施策が効いたのか、外部要因なのか」が判断しにくいケースがあり、自己評価がブレやすい。経験を積んでも「再現性」を証明することの難しさは残る。

社内での立ち位置が固まりにくい

特に1人目マーケターや少人数チームで働く場合、周囲にWebマーケティングを理解している人が少ないことがある。成果を出しても評価の軸がなく、「この人は何をしているのか」と思われやすい。評価制度が整っている会社を選ぶことの重要性を、後から実感する人が多い。

未経験からの転職で後悔しない動き方

「やめとけ」という声がある中で転職した人たちを見ていると、うまくいっているケースにはいくつかの共通点がある。

  1. 数値改善の実績を最初から作りにいく意識を持った:どんな小さな施策でも「Before/Afterの数値」を記録する癖をつけると、転職・昇給交渉のときに強い材料になる。
  2. 職種を絞って転職先を選んだ:「Webマーケター全般」ではなく「広告運用に特化した仕事」「SEO専任のポジション」と絞って求人を選んだ人のほうが、入社後のギャップが少ない傾向がある。
  3. 入社後の成長環境を面接で確認した:「1年後にどのポジションを担当してほしいか」「社内のマーケチームの人数と役割分担はどうなっているか」を面接で聞いた人は、放置リスクを事前に見極めやすかった。
  4. スクール卒業後に資格・ポートフォリオを整えた:Google広告認定資格(Skillshop)、GA4の基礎理解、簡単なリスティング広告の実績(自分のサービスや副業での試験運用)があると、書類通過率が上がりやすいという声が多い。
  5. 転職エージェントを複数使って情報格差をなくした:リクルートエージェント、doda、マーケティング特化型の転職サービスなどを並行して使い、市場の相場観や求人の質を比較した人は選択肢が広がったという。

「やめとけ」という言葉は、転職の難易度が高いことへの警告としては正しい。しかし、難易度が高いことと「向いている人がやると報われない」こととは別の話だ。成果を数値化できて、学び続けることが苦じゃない人には、2〜3年スパンで見ると手応えのあるキャリア選択になりうる。

少なくとも、筆者の周囲でWebマーケターに転職した人のうち、「転職そのものを後悔している」という声は少数だ。「もっと早く動けばよかった」という声のほうが多い、というのが正直な印象である。

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